Japanese
English
ジュニアコース
心臓の発生と奇形(3)
Embryological Consideration of the Cardiac Anomalies(3)
岡田 了三
1
Ryozo Okada
1
1順天堂大学医学部循環器内科
1Cardiology, Dept. of Int. Med., School of Med., Juntendo Univ.
pp.749-768
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202525
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Ⅱ.中隔の異常--その2--
3.心室中隔欠損
図12Aに心室中隔形成の過程をシエーマとして示す。胎生24日ごろ図の破線で示すようにD-loopを形成した心臓管の心室部分(Original primitive ventricular bow)には26日ごろ,図Cのように内面に心筋細胞の増殖による肉柱が出現し,29日ごろ腹側(前下方)に心室膨隆(Ventricular outpouching)をつくって,その中央部に図10Eのような筋性降起を発生する。これがのちに後部中隔となる心室中隔(Ventricular septum)の原基である。この時期では心室部分の流入口(Atrioventricular ostium or orifice)はほとんど100%左心室原基よりなり,心室中隔隆起は房室口をそれて血流と直角方向をとる。同時期に心房部分(Atrial leg of heart bow)では左主静脈の退化とともに1次中隔の左側に肺静脈還流が成立し,洞弁の非対称的発育も加わって左右血流量に不均衡を発生する。すなわち右静脈洞角より流入する斜線矢印で示す血流は右心房・房室孔の右側を通過して心室腔内を中隔隆起の右前方にでるに反し,左静脈洞角より流入する黒矢印血流は静脈洞弁による整流をうけて1度右心房壁で友射されて向きをかえ左側の白矢印肺静脈還流と一緒に左側に偏して心室中隔降起の左後方に入る。
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