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I.はじめに
古典的な分類では脳浮腫,脳腫脹はいずれも主として既に成立した病態について病理形態学的に把握された概念である.一方ここで述べる急性脳腫脹とは分単位をもって急激に脳容積の増大を来たす現象で臨床的に把握されるべき病態像である.急性脳腫脹が広範な脳血管緊張の低下すなわちvasoparalysisと,これに伴う脳血管床の増大に基づくということについては多くの実験結果より明らかにされており,一般的合意の得られているところである.しかし,このように種々の病態下において急速に成立する脳血管のvasoparalysisの発生機序に関しては,はたしてneural, metabolic factorのいずれが関与しているかについてはいまだ議論の分れるところである.このように急性脳腫脹の発生機構の理解が相異なればその治療対策もおのずと異なってくる.そこでこれら相異なる要因の解析を目的として以下に述べる動物実験を行なった.
It is generally accepted that acute brain swelling developes under the variety of pathological conditions of the brain and is primarily due to the augmentation of cerebrovascular blood volume. Although this seems to be caused by the impairement of cerebro ascular tone, there exists a controversy whether neural or metabolic factor is playing more important role in the mechanism of vasoparalysis.
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