Japanese
English
姿勢・位置異常アトラス9
局所姿勢反射
Réflexe de posture locale
平山 恵造
1
,
千田 富義
1
,
横地 正之
1
Keizo Hirayama
1
,
Tomiyoshi Chida
1
,
Masayuki Yokochi
1
1順天堂大学脳神経内科
1Dept. of Neurology, Juntendo University, School of Medicine
pp.710-713
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204093
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はじめに
局所姿勢反射(réflexe de posture locale)とは,筋肉を受動的に短縮させておく時,短縮筋に収縮の見られる事を指す。その異常に亢進した状態では新らたな姿勢を保持する。最初に記載したWestphal (1877,1880)は仮性硬化症の患者でその現象を認め,短縮された筋が弛緩すべきなのにむしろ反対に筋収縮を起こした事に注目しparadoxe Muskelcontractionと呼んだ。Foix et Théve—nard (1923)は同様の観察を行ない,その姿勢保持の役割を重視し,réflexe de posture (locale)と称した。彼らはこの反射の発現そのものは異常ではなく正常人にも存在し,その病的状態では充進あるいは低下を示すと考えた。Foix et Thévenardの指摘では,Westphalが亢進状態のみとらえて発現そのものを異常と考えて,正常あるいは低下状態の観察が省かれているとしているが,同じ現象を論じている事は確実である。一方Sherrington(1909)は類似の現象を脊髄動物で観察してshorteningreactionと呼んでいる。これは伸筋に見られ,やはり筋短縮の際にその筋に収縮が起こる現象であり,彼は神経の切断実験により短縮筋自身から筋収縮の刺激が発していると考えた。しかしこの現象がparadoxe Muskelcon—tractionやréflexe de posture localeと同一現象かどうかは議論の余地を残している。
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