昨日の患者
ヒステリー性対麻痺
戸塚 一彦
pp.147
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901466
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4年前のことですが,中学生の頃から車椅子で生活している20代の女性が,尿路変更を勧められて当院を受診しました。紹介状によれば,脊髄損傷,慢性関節リウマチの診断で半年前に尿道留置カテーテルの管理を依頼されたが,高度な肥満のため間歇的自己導尿は困難であり,頻回に腎盂腎炎を起こすので,尿路変更の適応があるのではないかとのことでした。
この女性は,もちろん身障者手帳を交付されていますが,母親が死去してからは父親,妹とは付合いがなく,一人暮らしのためか尿路変更には積極的でした。回腸導管を造設しましたが,術後にてんかん発作が頻発したため神経学的な精査を依頼したところ,ヒステリー性対麻痺であることが判明しました。
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