臨床経験
対麻痺に発生した下肢屈曲拘縮の臨床的,筋電図学的考察
伊藤 信之
1
,
穐山 富太郎
1
,
鈴木 良平
1
,
岡崎 威
2
,
田代 直輔
2
Nobuyuki ITOH
1
1長崎大学医学部整形外科学教室
2国立長崎中央病院整形外科
pp.71-76
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905303
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緒言
歩行不能で臥床している患者で,下肢では股関節と膝関節を屈曲し,足関節をやや背屈して伸展不能になつている例を見かけることがある.理学療法の普及に伴つてこのような屈曲性対麻痺の患者は減少しているが,時に遭遇することがある.
一般にヒトは痙性麻痺に陥ると下肢では屈筋より伸筋が優位であり,上肢では屈筋が優位である.しかし一旦歩行不能になると,痙縮に基づく伸展反射と屈筋反射の解離により,下肢においても屈筋が優位となる症例がみられる.
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