Japanese
English
特集 中枢神経障害のリハビリテーション
各種疾患のリハビリテーション
遺伝性痙性対麻痺
Rehabilitation for the Patients with Hereditary Spastic Paraplegia.
森本 茂
1
Shigeru Morimoto
1
1奈良県心身障害者リハビリテーションセンターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Nara Rehabilitation Center for the Disabled
キーワード:
遺伝性痙性対麻痺
,
痙縮
,
進行性神経疾患
Keyword:
遺伝性痙性対麻痺
,
痙縮
,
進行性神経疾患
pp.1101-1106
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108499
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はじめに
遺伝性痙性対麻痺(hereditary spastic paraplegia;以下,HSP)は,慢性進行性の主として両下肢に強い痙縮と対麻痺をきたす疾患である.HSPに限らずリハビリテーション・プログラムを設定する時に常に注意しなくてはならないことであるが,HSPのような慢性進行性疾患でのリハビリテーション処方においては,特に中長期ゴールの設定が重要である.主治医(リハビリテーション医)は,コメディカルスタッフへ,長期的なリハビリテーション・プログラムの方針をうち立てること,そして,この基本方針が,各スタッフ間で統一されていることが大切である.通常の脳血管障害,脊髄損傷と大きく異なる点は,この疾患が,他の進行性神経疾患と同様に状態(impairment)が徐々に悪化していくことであり,その経過のなかで,リハビリテーション医は,レベルダウンの程度・速度を予測し,スタッフ間で共通して認識できるようにすること(できること)が重要である.
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