Japanese
English
姿勢・位置異常アトラス4
除脳固縮(強直)
Posture and Position:Decerebrate Rigidity
島田 康夫
1
Y. Shimada
1
1東京大学医学部脳研神経内科
1Department of Neurology, Institute of Brain Research, University of Tokyo
pp.132-133
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204016
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Sherrington6,7)は,ネコその他で脳幹を四丘体の前縁から延髄の上半に至る間で切断すると,四肢・躯幹の抗重力筋に特異な強直状態がおこることを認め,この現象を除脳固縮(Decerebrate rigidity)と呼んだ(第1図b)。動物は四肢をのばし,頭や尾を背方にそらしのけぞるような姿勢をとる。この硬直は脊髄後根の切断により消失する(第1図c)。固縮の程度は脳幹の切断レベルによつて相違がみられ,四丘体の上丘と下丘の間で切断するともつとも強くあらわれる。
豊倉8)によると,Sherringtonよりはるかに以前,無名の古代作品の中に典型的な除脳固縮のレリーフが残つているという。キュンジク宮殿遺跡から出土したアッシリア(紀元前7世紀頃)の作品「獅子狩」シリーズの一部(第2図)で,脳幹を矢でつらぬかれた獅子が見事な除脳固縮の姿勢をとつているところを表わしている。
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