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研修医・学生のポケットに
脳神経外科,神経内科での,研修医,学生に教えねばならない最低知識を整理する2冊の小冊子を紹介したい。一つはA correlative studyguide for neuroanatomy, Hall J. L.and Huberston A. O. Harper &Row, New Yorkで,神経解剖に関する成書では最も簡単で,割りきつた本である。もう一つは,Funda—mentals of electroencephalographyKooi A. K. Harper & Row. NewYorkで,加算誘発電位法まで含んだ脳波入門書で,簡単で理解しやすい小冊子である。この二冊に加えて,Technique of the Neurologic—examination. DeMyer W. McGraw-Hill, New Yorkをまとめて,研修医,学生にすすめる好都合である。診療,研究に多忙ななかで,神経学の総論の講議をうけもつ教師にとつては,最低何を学生に覚えてもらうかという基本線を知るためにも一読しておくべきである。
A correlative study guide forNeuroanatomyは,図が単純な線でかかれ,理解,記憶にまことに便利である。内容は神経系の発生,脊髄,脳の外観,脳血流,知覚,小脳,錐体路,視床,大脳皮質,自律神経系,網様体の17章に分類され,1章あたり数頁で必要事項がもられている。Correlative studyというには簡単すぎるが,知識の整理のために,代表的な症例の神経症状の発現と解剖学的な知識を記載している。従来神経診断学の講議に利用するcorrelative neuroanatomy and fu—nctional Neurology (J. G. Chusid.J. J. McDonald)よりはるかに単純で,記憶しておくべき最低知識がもられているので,学生にとつても,教師にとつても都合の良い本である。
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