書評
—A. Dekaban 著—Neurology of Infancy
福山 幸夫
1
1東京大学小児科
pp.1038-1039
発行日 1960年12月1日
Published Date 1960/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201013
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最近小児の神経病学が種々の方面の研究者によつて注目され,我が国に於てもその機運が漸く盛り上ろうとしているとき,本書のような特異な性格を持つた専門書が現われたことは,誠に歓迎すべき吉事であつたと思われる。
先ず著者Anatole Dekabanを紹介しよう。彼は現在有名なアメリカのBethesdaにある国立衛生研究所のNational Institute of Neu-rological Diseases and Blind-nessに於て,Developmental Neu-rology部門の長を勤める斯界の権威者であり,同時にコロンビアのChildren's Hospitalの顧問医師,ワシントン大学神経学のAssistant Professorを兼任している。彼の最も大きな業績は,人脳視床の解剖学的・発達学的・病理学的研究であろうが,本書の各章毎に設けられた引用文献欄に掲載されている幾つかの彼の著書からも分るように,この方面の種々のテーマについて多くの論文を発表している。彼が本書の著述を思い立つたのは,上記視床に関する研究を行つた工951年というから,完成までに足掛け9年を費したことになる。
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