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書評「Therapeutic Gastrointestinal Endoscopy―Second Edition」
伊藤 克昭
1
1愛知県がんセンター病院
pp.222
発行日 1991年2月25日
Published Date 1991/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102466
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治療内視鏡に携わる者にとって必携の書
第2版である.まず,文字が大きくなり,取っつきがよく,読みやすくなった.第1版が出版されてから5年,その間に,内視鏡治療も大きく変貌した.多くの手技は更に洗練され,臨床医学におけるそれぞれの役割も明確となってきたための改訂である.
さて,第1章はブジー療法である.本邦では馴染みが薄いが,欧米では歴史が古く,さすがに記述には重みがある.本邦では10年ほど前から徐々に普及し始めたが,まだその知識は十分ではない.本章では,種々のブジーが図示され,その使用方法,注意点が詳細に述べられている.ブジーの握り方から,劣化したゴムブジーや金属ブジーのガイドワイヤー先端の折れの危険性まで写真で示し解説している.また,何か月あるいは何年もかかって形成された狭窄を一気に正常な内腔径にまで拡張することを戒め,“rule of threes”の重要性を説いている.ブジー療法施行者は一読の価値がある.更に,バルーン拡張についてもその位置づけに言及加筆され,狭窄治療は大幅な増頁となっている.
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