書評
―Toshiya Inada 著―DIEPSS―A second-generation rating scale for antipsychotic-induced extra-pyramidal symptoms
中村 純
1
1産業医科大学精神医学教室
pp.416
発行日 2010年4月15日
Published Date 2010/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101615
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晴和病院副院長稲田俊也博士が1994年にハーバード大学留学中に考案した薬原性錐体外路症状の評価尺度(DIEPSS)は,今やわが国だけでなく,韓国,台湾,中国など海外で行われている抗精神病薬の臨床開発試験でも使用されてきている評価尺度である。稲田先生は1996年に日本語版DIEPSS解説書「薬原性錐体外路症状の評価と診断」(星和書店)を発刊されたが,以来,先生自身が全国各地でDVDを用いた,この評価尺度のトレーニングを行われ,本評価尺度の高い信頼性と妥当性は示されてきた。DIEPSSは,これまでの錐体外路症状の臨床評価尺度の欠点を補って開発されたと考えられ,私も数回,抗精神病薬の開発時に,稲田先生よりDIEPSSのトレーニングを受けたが,臨床に即したわかりやすい解説により評価者間の一致率も高い評価尺度であることを実感した経験を持っている。
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