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このjoint studyは1959, Jan.から始め,1961, Sept.から外科療法,保存療法の比較を加え,1962, March以後1225名に達し,外科療法に適した患者,保存療法に適応群というcriteriaをたてた。外科的とはメスの届く動脈の30%以上完全閉塞,ただし椎骨動脈完全閉塞はaccessibleでない。閉塞巣多発なら1段ですべて手術,その後新たに閉塞症状現われれば第2回手術,こうして手術,非手術いずれもfollow-upを慎重に行なう。1225名は手術621名,非手術604名。♂は手術71.5%,♀28.5%。年齢は44歳以前,手術4.0%,非手術4.9%,45〜54歳では手術22.7%,非手術18.9%,55〜64歳ではそれぞれ38.3%,39.7%,65〜74歳では30.4%および31.5%。これを臨床的に分類し,Class 1(意識正常,運動麻痺なし,歩行・会話障害)手術32.7%,保存30.1%。Class 2(意識正常,monoparesis,歩行言語障害あるものなきもの)手術25.8%,保存23.5%。Class 3(意識正常,hemiparesis,歩行言語障害あるものなきもの)手術31.7%,保存35.8%。Class 4意識障害,monopa—resis with or without gait and speech dist.)手術3.1%,保存2.7%,Class 5, Class 6いずれも少数。合併症は高血圧(手術38.7%,保存42.4%),糖尿病(15.0%と171.%),末梢血管障害(20.3%と20.9%),心疾患(19.2%と19.8%),腎疾患(3.8%と3.5%)。inaccessible carotid手術10.4%,保存10.1%,ant and/or mid cerebral手術2.0%保存2.0%,両者合併,手術13.1%,保存1.0%, inaccess carot+vertebro basillar手術22.4%.保存20.7%vertebrobasillarのみ,手術33.8%保存32.2%,その他少数。さてそのanalysisはMerrell & Shulman (J. chr. Dis. 1:12, 1955)法life table分析に従い,まずcumulative percentage survivingをとると,6ヵ月間隔で,0〜6ヵ月は手術群83%,保存91%(手術死8.4%),37〜42ヵ月では手術61%,保存68%で,どの6ヵ月間隔も手術群が低く,グラフでは平行線になる。臨床経過A (一過性発作)では完全回復というのがあつて(24時問内),Bのように永続進行性の障害と異なるが,42ヵ月後ではAの手術生存率67%,保存生存率66%(差なし)。Bでは手術48%,保存71%で,保存療法が有意に高率である。Class 1では42ヵ月後,手術66%,保存68%,Class 2では手術62%,保存63%。Class 3では手術58%,保存72%。Class 4では手術51%。保存78%で,Class 3以上は保存療法が高率である。一側内頸動脈のみで他に狭閉塞のないものに限るとA群は手術81%,保存64%で手術療法が適応なることを示すが,B群では手術47%,保存76%でむしろ保存療法がよい。Class別にみても1,2群合計し,手術79%,保存71%で同じ傾向をよみとれるが,3,4,5合計では手術54%,保存63%となる。各部位,年齢などの面からも分析されてある。したがつて手術は側頸動脈に限り,かつ一過性発作ないし軽度・中等度の神経学的症状の患者が適応ということになろう。
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