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本号にはLangenbeck's Arch (322,Kongressbericht,1968)から紹介したい。Marguth (Münhen大学pp.251)の頭蓋内血腫69例,血腫なき89例の症状を比較すると,意識消失は前者7%,後者25%。意識障害・神経学的巣症状はそれぞれ50%および46%(以上計57%と71%とになる)。続発的意識障害は4%と19%。続発意識障害・続発神経学的巣症状39%と10%(以上計43%と29%)。患側散瞳65%と30%反対側散瞳合併12%と,後者は一側のみ。したがつて続発脳神経症状・瞳孔症状を見つつEcho,動脈写を行なえば血腫を見おとすことはなく,手術の時期を失することも少ない。稀にみる後頭蓋窩出血は意識障害等の他に後弓反張のような髄膜症状を漸次呈してくることは周知のごとくである。髄液漏における感染防止。頭蓋底骨折にはCarotiscavernosus・Fistel (Exoph—thalmos発呈)その他特有の症状が後発しうること。いずれも周知の点を強調して治療法に入つてゆく。自発呼吸あるもまつたく反応性なきもの(130例中8%)100%死亡。瞳孔反射なくStreckkrampf (6%)100%死亡。痺痛反応ある昏睡(22%>55%死亡。瞳孔反射ありStreckkrampf(16%)30%の死亡。神経症状なき意識障害(48%)15%の死亡。いずれも重症の130例についての予後で,死亡は14日以内であつた。つぎに血腫だけに限ると,痛感反応ある昏睡(15例)死亡53%で総数の場合と大体同じ。瞳孔反射あるStreckkrampf (13例)死亡46%,総数例より死亡率いちじるしく高い。このうちSubdural74%,epidural85%,intracerebral70%,以上いくつか合併ないし両側性80%の死亡で,血腫の部位で予後に差がある。神経症状なき意識障害(32%)25%死,このうちsubdural40%,epidural15%,intracerebral25%,合併ないし両側1例で死亡。やはり出血部で差があり,とにかく,早期に血腫を除去したい。
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