外国文献
頭蓋外の脳血管狭窄,他
pp.100-103
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204503
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これがstrokeの原因になることが最も多いので,その粥状硬化を除去する手術が諸国で行なわれている.しかしDeBakey(Ann.Surg.161:921,1965)らも指摘するように,臨床所見とX-Pとが一致しないのみならず,手術は成功しても改善が一向に見られないということが少なくない.本症の自然史は多様で,例えばBradshaw(Br.M.J.1:261,1967)はその65%は狭窄,45%は閉塞を見ているが,閉塞なら直後数分以内に手術されなくては効果はない筈であろう.さてO'Brien(Lancet 2:392,1967)は本症40例について,血管写,皮質潅流速度(CPR)を測定(Mollet法:Clin.sci.29:179,1965),手術の効果およびCPRに及ぼす臨床的,血管写的所見を検討した.その結果,臨床的にも血管写的にも成功した手術でも,CPRには有意の変化を惹起しない.1例わずか改善したが却つて,低下したのもあり,手術失敗の場合はCPR激減もあつた.これは粥状硬化部に有効なるべき吻合が発生している筈だから当然であろう.CPRは左右非対称的の例が多いが,そのasymmetryと臨床的病変局在とは何の関連もみつけられなかつた.これはCPRに変化を与えない小病巣か臨床的には大なる神経学的所見を招いているからであろう.
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