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前頭葉の重損傷の運動機能障害にはefferent Perseveration (次への運動のスイッチはできるが,必要な運動を起こしえない)ともいうべきmotor peripheryの保持が有名だが,これとはまつたく別種の運動障害がある。それはprogram of ac—tionがまつたく停止するタイプで,前頭両葉基底に発生したmeni—ngioma大手術後に,この2種の障害の発生した症例をくわしく記載してしいる。そしてこの2型はまつのたく異なるものであることを強調ている。両者とも自発性,時と場所dis-orientation,行動障害という共通の背景をもつていた。第1型,42才婦人は術前からpersonality chan—geあり,術後,行動異常の最もつよい時にも,かなり複雑なprogram of actionは維持し,ひとつの仕事から次へスイッチはうまくでき,したがつて連続した運動をつづけ得た。したがつて一度始めた仕事を終了しようとするとき,強制反復の型をとり,efferent perseverationとよんでよい状態であつた。円を画くような仕事で特にそれがいちじるしく,家を画くような複雑な仕事に変えると,これは消失した。第2型,56才婦人,前と共通症状たる背景の他に,簡単なprogram of actionを失つており,一度始めた仕事を中止しえないというefferent persev.はなく,視覚・聴覚に反応する簡単な運動を起こすことができない.ひとつの仕事から次の仕事へスイッチできない。相つながるふたつの仕事は続けて行なえない。ひとつの事が終ればそれで止めてしまう。第1型の最も典型的なものは前頭葉基底面損傷で,皮質下の運動性ガングリオン破壊のとぎに見られる。第2型は前頭葉の凸面の損傷で,前頭葉の背側まで.傷害されたときに起こりやすい。
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