特集 脳底部に異常血管網をを示す疾患群をめぐつて
大脳基底部のtelangiectasisと高血圧を伴つた進行性四肢麻痺の幼児例
有馬 正高
1
,
須田 碩人
1
,
濤川 光男
1
1東邦大学医学部小児科
pp.549-551
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406202053
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒言
脳血管写の普及につれて大脳基底部に特異な上血管網を証明し得る症例の存在が注目され,その本態について先天異常と副行路の両説が議論の対象となつている1)6)7)。小児における脳動脈の異常は,決してまれではないが,臨床的に急性片麻痺や間歇的な脳血管不全の症候が主であつて,永続的な四肢麻痺を示すのはかなりまれである2)3)4)。以下に示す症例は,緩慢に発症し,両側性の痙性麻痺と精神発達障害をきたし,さらにいちじるしい高血圧の持続を認めた。根底にある基礎疾患については現在なお検討中であるが,小児の脳血管障害の一型として興味ある症例と考えられるのでその概略を述べたい。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.