特集 これからの医療とPOS—第8回POS研究会報告
Ⅲ.シンポジウム1‘POSと医療システム’
司会にあたって
福間 誠之
1
1京都第一赤十字病院脳神経外科
pp.879-880
発行日 1986年12月30日
Published Date 1986/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908310
- 有料閲覧
- 文献概要
昭和48年日野原重明氏により初めてPOSが日本に紹介されてから,POSに関心を持つ人が増えてきていたが,その普及を目的として昭和54年に東京で第1回のPOS研究会が開催された.その後毎年研究会が持たれ,昭和58年からは東京を離れ大阪,長崎,倉敷などの各地で1年に1回研究会を持ち,主としてPOSの解説と演習を行ってきた.今回浜松で開催された研究会では初心者向けのコースの他に,これまでに参加した人の中から一般演題が募集され,集まった14題の演題を2グループに分け,前半には医療システムに関する演題が,後半は教育に関する演題がまとめられ,シンポジウムとしてすすめるという試みがなされた.約200人入れる会場はほぼ満員の盛況であり熱気にあふれた討議がなされた各施設でPOSを取り入れる努力がなされ実際に始めてみるといろいろな問題にぶつかり,それらを解決するための工夫が紹介されていた.
藤田学園保健衛生大学看護科からはPOSを試験的に導入して看護内容の検討がなされた結果の報告があった.SOAP形式を用いることにより記録に継続性がでて記録の内容は充実したものとなった.チェックリストによる監査を行ってみて,POSは,看護内容の変化に大きく機能し,教育的であるという結果を得た.導入にさいしては問題リストの作り方を工夫し,1勤務に1回SOAPで記録を書き継時記録も並記する,またカーデックスの問題点,目標,治療方針を利用するようにしたという.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.