Japanese
English
文献抄録
神経腫瘍の全身症状,他
Systemic manifestation of neurogenic tumors,他
Kogut, M. D.
,
Kaplan, S. A.
pp.650
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201296
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交感神経腫瘍でカテコルアミンを産生するもののあることが,注目されて来たが,著者は17か月少年,左腎孟4.5×4×4cmのganglioneu roblastoma,および3才少年の左腎上部neuroblastoma各1例に同様所見を見出した。これでKaplan (1949)がこの種の最初の1例を報告してから29例の同様症例が知られたことになる。内訳はneurobl. 14例,ganglioneurobl. 8例,gangli—oneuroma6例などである。血圧亢進は15例,下痢12例,著しい発汗8例,心悸亢進5例などが,主な全身症状であつた。カテの分泌に明かな亢進があつたにも拘わらず,殆ど無症状というのが3例知られている。こうしてみると,クローム親和細胞の存在は,カテ産生に不可欠とはいえないであろう。交感神経腫瘍はカテを産生するポテンシヤルをもつと解すべきではないか。交感神経節はノルアドを分泌(アドは極微量)するから,そこから出る腫瘍がノルアドを産生しうるのは当然ともいえる。ノルアドそのままで尿に排泄されるのは,産生量の3〜6%で,20〜40%という大量はvanillylman—del酸(VMA)として排泄されるから,交感神経腫蕩ではノルアドよりも寧ろVMAを注意ぶかく頻回に測定すべきである。褐色細胞腫以外の高血圧でVMA排泄亢進は知られていないが,ノルアド排泄亢進という例はある。そうした意味でも,VMA測定は重要である。
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