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Stout (Am. J. Cancer 24: 751,1935)がSchwann鞘から出る腫瘍をneurilemmomaとよび,彼の52例では5例が側頸部から出た。Kragh (SGO 111:211,1960)のMayo Cl.では側頸neurilemmoma77例,このうち22例が出生母地明らかで,その5例が迷走神経であった。この他neurofibroma, Reck—linghausen病,ganglioneuroma ga—nglioneuroblastoma, neuroblastomaなどがあることは言うまでもない。迷走神経から出るものは稀だから1例報告の価値がある。さて本報はVanderbilt大学の側頸部神経腫瘍32例(Recklinghausen, carotid body tumor除く)の展望で,10歳以下4例,70歳以上3例,大体20〜50歳代。♂:♀=1:2。母組織は迷走神経4,横隔神経1,上腕神経叢4,副神経1,交感神経2,頸部神経叢7,不明13例となる。その典型的な数例をあげて手術法まで略述してある。Garlock (Mayo Cl. Proc.32:239, 1957,は迷走神経腫瘍でセキを訴えたが,本報4例にはかかる症状がなく,臨床症状で母組織をうかがうのはむずかしい。この部の神経腫瘍は平滑,硬ないし鞏,可動性,café-au-lait,脊柱側前彎,顔面非対称などはRecklinghausenを示すが,手術によらなければ正しい診断はできない。大部分はそれだけを摘除すればよく,肉腫化を示せば広汎切除の要があるが,radical neck dissectionの要はあるまい。neuro—blastomaは広汎切除,照射が奏効する。大きい重要神経切除ではnerve graft (大耳神経)がよい。
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