〈原著論文抄録〉
全身性エリテマトーデスと帯状疱疹,他
鷲尾 勝
1
,
清水 順也
1
,
佐藤 良夫
1
1新潟大学医学部皮膚科教室
pp.1147
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200419
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全身性エリテマトーデス(以下SLEと略す)と帯状疱疹(以下HZと略す)が合併しやすいことの理由としてはSLEにおける免疫系の異常,あるいは個体の抵抗力の減弱が思惟されている。著者らは,昭和32〜42年の11年間に,新大皮膚科を受診したSLE 27例についてHZが27例中6例,22.2%の高頻度に合併することを確認した。うち2例はHZの再発を来している。また6例中4例が10才台であることは注目すべきである。これらHZ合併例は臨床症状,検査成績から,SLEとして中等〜重症とみなされた。しかしSLE発病後,現在まで約10年の生存者2例を含み,全例生存しており,HZ合併は特別予後の悪いことを示唆するものではない。HZの合併頻度の高い原因として,自験例の(統計的)観察からSLEの免疫系の異常によることが強く思惟された。しかしステロイドの影響も看過できないと思われる。今後,これらの問題を解明していくためには,免疫グロブリン,中和抗体,細胞抗体の態度をはじめ,プロパージン,インターフェロンなどの問題を究明していくことが必要と考えられる。
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