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特集 脳腫瘍の病理
〔7〕脳腫瘍における小脳の病変—特に髄膜腫におけるStatus bullosusの出現について
CEREBELLAR CHANGES IN BRAIN TUMORS, WITH SPECIAL REFERENCE TO FREQUENT APPEARANCE OF STATUS BULLOSUS IN MENINGIOMAS
小宅 洋
1
Yo Koyake
1
1新潟大学医学部脳研
1Brain Reseach Institute, Niigata Univ. School of Medicine
pp.690-694
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201301
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はじめに
小脳における乏血性ないし低酸素性の病変(いわゆるvasal factor)については古くから研究も多く,その際プルキンニェ—,星状—または籠—,顆粒—およびゴルジ細胞という序列でvulneableであるといわれている(Scholz1))。これに反して顆粒細胞の選択的壊死とくにStatus bullosus(Schrappe2),以下S. b.)については,近年ようやく注目されてきたものの,その出現する基礎疾患なり,発現機序についての知見はきわめて貧弱である。私は近とともに348例の剖検材料を検索し,髄膜腫および白血病の最近の症例にS. b.の著明な出現をみることを知つたので,これらについて少しく検討してみたい。
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