〈原著論文抄録〉
全身汎発型環状肉芽腫,他
棚橋 善郎
1
,
秋葉 弘
1
,
三浦 隆
1
1東北大学医学部皮膚科教室
pp.871
発行日 1969年8月1日
Published Date 1969/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200547
- 有料閲覧
- 文献概要
全身汎発型環状肉芽腫の2例を報告した。症例1は68歳女子,症例2は52歳男子であつた。両例共個疹は扁平隆起性の円ないし多角形の丘疹であり,表面に光沢を有し,中心臍窩の認められるものもみられた。このような皮疹が全身に極めて密に散在しており,この点極めて稀なものであつた。これらの皮疹に加えて,一部に定型的な環状疹がみられた。組織学的には定型的な環状肉芽腫の像であつた。症例1はINAHとクロロキンの併用が有効であり,症例2はコルチコステロイドの内服が著効を示した。
この自験2例に,文献上みられた全身汎発型本症の症例10例を加え,これら症例における年齢・性・初発年齢・初発部位・ツ反・組織像・治療などについて考察を加えた。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.