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乾癬のため入院させた23名についての実験である。18名においてはfluocinolone acetonideの0.025%クリームを毎日10,20,30,40g10日間用い,プラスチック・フイルムによる閉鎖療法で治療した。1m2当りのクリームは30〜40gに当る。すべての患者において17—ketosteroi—dsおよび17—ketogenic steroidsの尿排泄は減少し,ナトリウム排泄は増加,利尿も増加した。毎日20g以上使用した例では好酸球の減少を起し,30および40g使用例はすべて体重の減少を来たした。カリウム排泄は不変であつた。補足的に2例についてfluocinolone acetonideの0.01%クリームを毎日30g用いたところ17—KSおよび17—KGSの排泄減少のほか,血漿cortisal値も減少した。上記18例中の3例につき治療中およびその後でmetopironeによる下垂体機能検査を行なつた。その結果は,下垂体機能を抑制するに足るfluocinolone acetonideの量が吸収されることを知つた。しかしこの抑制は短期間で,療法中止後2日で下垂体は正常に反応した。対照として5名にクリーム基剤で閉鎖療法を行なつた。17—KSの排泄は不変であつたが,17—KGSの排泄は増加の傾向を示し,利尿も増加した。利尿の増加は閉鎖療法の結果と推定された。結論としてfluocinolone acetonideクリームはプラスチック・フイルムの下では相当な量が吸収され,本療法は全身作用を顧慮せずには使用し得ない。従つて全身作用が実害を惹起するおそれのある場合,例えば小児においては,この療法は推奨できない。(Kirketerp, M.: Systemic Ef-fects of Local Treatment with Fluocinolone Acetonide Applied Under Plastic Film, Acta derm.-venereol., 44, 54, 1964)
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