症例
Vogt教室の想出
難波 益之
1
1山口県立医科大学精神神経病学教室
pp.215-218
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201053
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編集部からVogt教室の想出を書くように言われたが,私がVogt先生のお世話になつた期間は,1955年から1957年までの2カ年で,その間の想出は私にとつて生涯忘れ得ぬものであり,また数限りない程のものである。それ故,想出を書くとなるとどうしても私の身近なことになり易いことを先ずおことわり申し上げねばならない。
1955年11月,真夜中にFreiburg駅に到着して,1夜を駅で明かし,翌早朝一番列車でSchwarz-waldの森の奥へ奥へと進んだ時,小さなNeus-tadtはまだ乳白の濃い霧に包まれていた。そして教会の塔と,町はずれの山腹にある目ざす研究所がこの中に浮上つているように見えていた。
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