醫學談叢
戰爭中の獨逸の想出(2)
小林 一郞
1
1國立第二病院外科
pp.39-44
発行日 1947年8月20日
Published Date 1947/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200238
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(6) Drahtzuggipsverband
1939年軍顧問外科醫答申陸軍の治療指針によれば,大腿骨射創骨折は二期に分けて考察を要し,第1期は手術的創傷處置後は感染の危險を重要視して専ら安静を計り,整復のことは考へぬ。第二期は數日後に重症感染の危險なきを確めてから最後迄治療し得る後方病院に輸送し此處で整復する。といふのでKirschnerの意見が強く反映してゐる。その結果前線では不良位置のまゝでGipsをかけることが流行した。Wachsmuthは此の方針に強く反對して,先で鋼線牽引により整復し直ちに鋼線刺入のまゝ牽引状態に於てGips包帶することを提唱した。鋼線をギプスに固定するための特別の留め金も考案した。大腿骨々折治療法としては鋼線牽引ブラウン副子使用が優秀な事は明瞭だが本法は戰時には不適で殊に輸送不可能のこと,ブラウン副子は Röhfenabszessを作り易い缺點がある。(伸展位ギプス固定では3.8%だがブラウン副子では16%あつた*)。之に反して鋼線牽引伸展位に於て腰部以下ギプス固定すれば,完全なる安静の下に創傷治療も可能で,後に整復を要せず,又適當の病院に後送後再び牽引療法を實施し得る外,軟部の削痩のためギプス更新を要する如きことはない。又Rueckertの統計では14:34%だ
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