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綜説
脳蛋白分劃による実験的脱髄脳脊髄炎の血清学的背景
SEROLOGICAL BACKGROUND OF EXPERIMENTAL DEMYELINATING ENCEPHALOMYELITIS INDUCED BY IMMUNIZATION WITH BRAIN PROTEIN
柴田 農武夫
1
Nobuo Shibata
1
1東京医科大学神経科
1Department of Neurology, Tokyo Medical College
pp.87-96
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200753
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本日の学会で何か話すようにということでございますが,ちようど1年半ほど日本を留守にして,主としてシカゴのイリノイ大学の研究室の地下室に蟄居していたために,全く臨床医学から離れておりましたし,従つて非常に世界の精神医学界の動きというものにうとくなりまして,別に御参考になるようなお話しをすることがないのであります,ただ私にとつては自分でやつていた仕事をお話しするのが一番確かなことなので,そんなことについて,お話しをいたしたいと思います。もともと,これからお話しいたしますことは,ここに掲げたような演題に沿うての実験と,その仕事ではございません。従つてこの一連の実験からして,この演題に沿うたようなことを申し上げることに少し無理がございます。それから,病理組織学的な検索については,本日私から申し上げることはできないような,事情でございます。いま一つは,一部の実験成績については,その詳細なコピーがまだ私の手元に届いておりませんといつたふうな,いろんな制約がございますので,ごく大ざつぱに,考えておりますことを申し上げてみたいと思います。
実験的脱髄脳脊髄炎の問題は,日本でも脳研の白木助教授を中心として活ぱつに行われて参りましたし,一方アメリカにおいては多発硬化の問題とからんで,各研究者が盛んに研究を続けている状態でございます。
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