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あとがき
小川 鼎三
,
內村 祐之
,
冲中 重雄
pp.178
発行日 1950年5月1日
Published Date 1950/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200115
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近ごろ九州まで旅する機会があつて,その汽車の窓から復興する日本の姿をつくづくながめた。田園はかなりよく囘復したが,山は濫伐のあとを示して傷々しくみえる。沿線の諸工場の煙もまだ活氣にとぼしく,八幡の製鉄所はいま何割うごいているのか知らぬが昔日のおもかけが全くない。
そして4つの小さい島の上に8千万の人間がうごめいている。足りないものばかりの狹い國土に人間だけは有り余つている。どうしたら日本人は今後相当の誇りをもつてこの世界に生きてゆけるだろうか。
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