Japanese
English
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癲癇患者に於けるカルヂアゾール誘發痙攣の始發部位と向反側運動に就て
On the Starting Point and Adversive Movement of the Convulsion Induced by Cardiazol Injection in Epileptics
陣內 傳之助
1
,
川眞田 幸
1
Jinnai, DennosuKe
1
,
Kawamata, Miyuki
1
1岡山医科大学陣内外科教室
1Okayama Medical College
pp.156-158
発行日 1950年5月1日
Published Date 1950/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200111
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緒言
余等の一人陣内は曩に九大友田外科教室に於て井上と共に電撃による癲癇痙攣誘発を試み,その病巣側の決定につき研究を行つた結果,電撃誘発痙攣に於ては,1)癲癇性痙攣の前に,余等の所謂電氣強直が起ること,2)此の電氣強直は電撃を與えた瞬間に起り通電中のみ存し,必ず左右同時性であり,向反側運動を伴わない事,3)一方に於て癲癇性痙攣は通電を止めた後も引続いて起り或は通電を止めた後一定の潜伏期後に起り,向反側運動を伴う事がわかり,この電氣強直は眞の癲癇痙攣とは別個のものであり,之が癲癇性痙攣に先行する爲に癲癇痙攣の始発側が掩われるので始発側の決定には不適当であることを知つた.
茲に於て余等は,より自然発作に近い誘発法を考えたが随時に起し得る方法としては,カルヂアゾールの靜注によるのが最適と考えたので,之による誘発を試みその痙攣型並びに向反側運動を観察した.本研究は昭和23年5月より本年5月迄のもので症例も極めて少く,從つて未だ結論をつけることはできないが,中間報告としてそのままを報告する.
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