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癲癇小發作時の意識障碍について
島薗 安雄
1
,
平井 富雄
1
,
大熊 輝雄
1
,
福田 富夫
1
,
山桝 惠美子
1
1東京大學醫學部腦研究所
pp.323-331
発行日 1953年11月1日
Published Date 1953/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200369
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Gibbs, Davis及びLennox1)(1935)が,癲癇小發作を腦波々型をもとにして分類して以來,小發作に關して多くの報告があるが,そのさいの意識障碍についての詳細な括まつた報告は,ほとんどなされていないようである。
われわれは腦波記録上に典型的な小發作波を示している發作中に,患者の名前を呼ぶと,これに對して全く反應のない場合,呼名とともに眼を開いたり,多少の反應は示すが,なお返事が出來ない場合,不明瞭な應答はするが後で覺えていない場合,明瞭に返事をする場合等,種々の場合があることに氣がついた。この事實は小發作時にも患者の意識障碍には,いろいろの程度の差があることを示している。また呼名と同時に,この異常波が消失して,發作が終ることもあり,このことは患者の家族によつてもしばしば認められている。このように,小發作が外部刺戟の影響を受けて,抑制されるということは,腦波の發作機構の研究に興味ある手がかりを與えるものである。
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