Japanese
English
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脳脊髓液搖動療法の作用機轉に関する研究—1.血液脳脊髓液間関門透過性に及ぼす影響 2.脳脊髄液の吸收に及ぼす影響
Studies on the Mechanism of Action in the spinal Oscillation procedure. (=the rapid spinal pumping):1. Effects on the barriere haematoencephalique by the method above written. 2. Effects on the absorption of cerebrospinal fluid by that method.
圓山 一郞
1
Maruyama, Ichiro
1
1國立秋田病院外科
1Surgeon of the surgical Department, Akita National Hospital
pp.152-156
発行日 1950年5月1日
Published Date 1950/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406200110
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緒言
本療法は脳脊髓液の急速なる吸出注入を反復する方法なので,その際リコールに搖動的流れと圧力とが生じ,これ等が脳室壁,脳表面,脊髓全般に及ぶわけであるから附表に示す樣に本療法を脳脊髓液搖動療法と呼称するのが最も妥当と思われる.尚リコールの吸出注入には伸縮可能な彈力性ある部分がなくては不可能であるので,脳室壁か或は脳部,脊髓部蜘蛛膜下腔壁に彈力性が僅かにあつて,それ等の伸縮によつて可能となるものと思われる.從つて脳室壁にはリコールの搖動的流れと圧力とある程度の伸縮とが加わることになるので,これ等が脳室壁周囲の脳幹部にもある程度の影響を與えるであろうことは考えられる.殊に第三脳室壁周囲には自律神経中枢(腹側内半),錐体外路系中枢(腹側外半),知覚線維集散地(脊側)等があると云われている(黑津及びその門下)ので,これ等の部位に適当な刺戟が及びこれ等に病因を発する諸疾患に著効を奏するものと思われる.上述の機轉が脳室,脳部,脊隨部蜘蛛膜下腔全般に廣く及ぶので血液脳脊髄液間関門透過性並びに脳脊髓液吸收にある変動を及ぼすであろうと思いこの両者に就き実験を試みた次第である.
1.血液脳脊隨液間関門透過性に及ぼす影響
血液脳脊髓液間関門透過性の測定には種々なる方法があるが余はWalter氏臭素法を用い実驗した.
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