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精神医学における日本の業績
内村祐之の業績—ヨーロッパ・アカデミック精神医学を正確かつ周到にわか国で育成したこと
Psychiatric Works of Prof. Yushi Uchimura: The exact and thorough bringing-up in Japan of European Academic Psychiatry
原田 憲一
1,2
Kenichi HARADA
1,2
1武田病院
2元東京大学
1Takeda Hospital
2Tokyo University
pp.1293-1298
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902338
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はじめに
内村祐之は父鑑三,母しづのもとに1897年(明治30)11月12日東京渋谷で生まれ,1980年(昭和55)9月17日東京新宿にて80歳余の生涯を閉じた。この間,北海道大学,次いで東京大学の精神医学講座の教授として多くの業績をあげ,わが国の昭和期精神医学を指導した。
内村の業績はアカデミックな精神医学の多領域にわたる。そしてそのいずれの領域においても,欧米の新しい精神医学(当時20世紀前葉,ドイツ語圏の精神医学が先端を進んでいた)の研究方法を正確にわが国に移し植えた。そしてその新しい研究方法を用いて欧米先進国にひけをとらない正確な研究成果をあげた。
内村の学問的業績については,秋元波留夫監修になる大冊が公刊されている2)。そこには内村のすべての業績が網羅され,適切な解説が付されている。それら多くの業績の中で,世界的に見て精神医学研究史上重要と私が考えたものを以下に取り上げる。
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