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アカデミック・プライマリケアとは,社会生活を送りつつある患者の受ける医療についての研究と教育である.
重篤な疾病や予後の不良な症例の頻度に関する,二次・三次医療機関からの報告はプライマリケアの場でのデータとはかなり異なっていることが実証されてきている.したがって,一見同じ症状を訴える患者についてもプライマリケアの場での治療やマネージメントは微妙に異なってくるはずである.二次性高血圧や腹部大動脈瘤,咽頭炎の場合などについて臨床決断の相違点を例示する.一方,社会生活を送りつつある患者が対象となることより,受療行動やコンプライアンスといった心理社会的要因についての配慮も重要である.
研究のための基礎知識としては,臨床疫学,決断科学,行動科学などが必要であろう.臨床疫学と決断科学についてその概要を説明する.
外来教育の重要性はますます高まり,プライマリケアの場での診療の特徴を考えると,教育と研究のためのネットワーク作りが急務と思われる.
Academic primary care is the study and education in and on the medical care provided for patients in a community.
There has been increasing number of evidence that clinical epidemiological data from secondary or tertiary institutions are different from that obtained in primary care fields, especially in terms of the propor-tion of disease with poor prognosis. Therefore, adequate management of patients with similar symptoms may well be different if the site of medical care differs. Possible differences in patient management are presented regarding secondary hypertension, abdominal aortic aneurysm and acute pharyngitis.
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