連載 続・医のなかの想い[ドクター“のぞみ”の院内日誌]・3
にわか“主治医”
小笠原 望
1
1高松赤十字病院神経内科
pp.616-617
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900156
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血液を専門とする河内先生(第3内科部長)がヨーロッパへ2週間の出張となり,私は入院患者さんの留守番役をすることとなった.ついてないことに,出張が決まってから河内先生受け持ちの患者さんの状態が悪くなり,申し送りを聞く私は新米医師の気持ちだった.
血液疾患の患者さんを診るのは久し振りで,特に化学療法後の患者さんの治療を引き続いてするのは,正直なところ不安だった.「血液にわか医者」に備え,1週間前から血液の本や雑誌をパラパラとめくっては,溜め息をついてばかりいた.
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