書評
—樋口 進 担当編集—〈講座 精神疾患の臨床〉8—物質使用症又は嗜癖行動症群 性別不合
堀井 茂男
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1公益財団法人慈圭会慈圭病院
pp.1489
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207429
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シリーズ〈講座 精神疾患の臨床〉8『物質使用症又は嗜癖行動症群 性別不合』が出版された。本書は,20余年ぶりに新しいICD-11に準拠し,最新の知見と臨床上必要な疾患を中心に構成されており,ICD-10からの変化やDSM-5との関係も必要に応じて解説されている。総じて,これまでの断片的な情報が具体化されており,実地臨床への配慮もなされ,たいへん興味深い編集となっている。
本書は,いわゆる依存または嗜好に関係する物質使用症又は嗜癖行動症群(disorders due to substance use or addictive behaviours)とそれに関連する衝動制御症群(impulse control disorders)およびパラフィリア症群(paraphilic disorders)を取り上げており,別に性別不合(gender incongruence)も収載している。物質使用症又は嗜癖行動症群のICD-10からの最大の変化はこの群に嗜癖行動症が加わったことで,例えば「病的賭博」はICD-11では「ギャンブル行動症」と名称が変わり,この症群に分類され,「ゲーム行動症」は新規にこの症群に分類された。なお,「ゲーム行動症」は日本や韓国で多くみられ,本書編集の樋口進氏のWHOでの活躍により疾患となったものであることは特筆しておきたい。
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