Japanese
English
特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する
性別不合のホルモン療法
Endocrine Treatment of Gender-Incongruent Persons
中塚 幹也
1,2
Mikiya Nakatsuka
1,2
1岡山大学大学院保健学研究科
2岡山大学ジェンダークリニック
1Graduate School of Health Sciences, Okayama University, Okayama, Japan
2Gender Clinic, Okayama University
キーワード:
性別不合
,
gender incongruence
,
トランスジェンダー
,
transgender
,
GnRHアゴニスト
,
GnRH agonist
,
二次性徴
,
secondary sexual character
,
ホルモン療法
,
hormonal therapy
Keyword:
性別不合
,
gender incongruence
,
トランスジェンダー
,
transgender
,
GnRHアゴニスト
,
GnRH agonist
,
二次性徴
,
secondary sexual character
,
ホルモン療法
,
hormonal therapy
pp.1135-1141
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206721
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抄録 トランス女性ではエストロゲン製剤が使用され,陰茎の勃起抑制,乳房の腫大などの体型の女性化などがみられるが,ひげの減少や声の高音化は限定的であるため脱毛やボイストレーニングが行われる。トランス男性ではアンドロゲン製剤が使用され,月経は停止,ひげや体毛は増加,身体は筋肉質となり,陰核は腫大し,声は低音となるが,乳房の縮小は限定的であるため乳房切除術が行われる。
不可逆的効果や副作用もあるため,ジェンダークリニックなどでの適切な診断後,血液検査などによりホルモン療法の可否を確認してから開始する。また,血栓症などの副作用の予防のため,喫煙者には禁煙,肥満者には体重管理を指導する。
思春期に性別違和感が増強する場合には,GnRHアゴニストなどによる二次性徴抑制療法が行われる。専門的な観察を続け,性別不合の診断が確定されれば,エストロゲン製剤,アンドロゲン製剤の投与に移行する。
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