Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
摂食障害難治例に対する治療的介入とは
What is Therapeutic Intervention for Severe and Enduring Eating Disorders?
林 公輔
1
,
西園マーハ 文
2
Kosuke Hayashi
1
,
Aya Nishizono-Maher
2
1学習院大学文学部心理学科
2明治学院大学心理学部心理学科
1Department of Psychology, Faculty of Letters, Gakushuin University, Tokyo, Japan
2Faculty of Psychology, Meiji Gakuin University
キーワード:
摂食障害
,
eating disorders
,
重症遷延性摂食障害
,
severe and enduring eating disorder
,
SEED
,
重症遷延性神経性やせ症
,
severe and enduring anorexia nervosa
,
SE-AN
,
パーソナル・リカバリー
,
personal recovery
,
早期介入
,
early intervention
Keyword:
摂食障害
,
eating disorders
,
重症遷延性摂食障害
,
severe and enduring eating disorder
,
SEED
,
重症遷延性神経性やせ症
,
severe and enduring anorexia nervosa
,
SE-AN
,
パーソナル・リカバリー
,
personal recovery
,
早期介入
,
early intervention
pp.1442-1447
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207422
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抄録
摂食障害の難治例は重症遷延性摂食障害(SEED)や重症遷延性神経性やせ症(SE-AN)と呼ばれており,主に罹病期間と失敗した治療回数が難治の目安である。難治例の場合は特に,症状の回復を目指す医学的リカバリーだけでなくパーソナル・リカバリーの視点も重要であり,治療方針については患者とよく話し合って決定するべきであり,状況に応じて治療契約を見直す必要がある。一方で,回復する例のあることも忘れてはならない。また,現代における摂食障害の精神病理や症状の背後にある心理的な課題についても検討する必要がある。治療継続のためには海外の方法を取り入れるだけでなく,デイケアなど,既存の方法を活かすことも考えたい。支援体制の充実に関しては近年設置された摂食障害全国支援センターと摂食障害支援拠点病院に期待したい。さらには,難治化する前に予防・早期介入することが喫緊の課題であり,そのためには教育現場との協働が不可欠である。
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