Japanese
English
特集 精神医療・精神医学の組織文化のパラダイムシフト
精神医学研究におけるパラダイムシフトの可能性
Rethinking the Paradigm of Psychiatric Research
柳下 祥
1
,
金原 明子
2
Sho Yagishita
1
,
Akiko Kanehara
2
1東京大学大学院医学系研究科構造生理学
2東京大学医学部附属病院精神科
1Laboratory of Structural Physiology, Center of Disease Biology and Integrative Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, University of Tokyo Hospital
キーワード:
パーソナル・リカバリー
,
personal recovery
,
障害の社会モデル
,
social model of disability
,
患者市民参画
,
patient and public involvement
,
共同創造
,
co-production
Keyword:
パーソナル・リカバリー
,
personal recovery
,
障害の社会モデル
,
social model of disability
,
患者市民参画
,
patient and public involvement
,
共同創造
,
co-production
pp.237-242
発行日 2023年2月15日
Published Date 2023/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206854
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
医学研究は医療専門家がアウトカムを設定し,特にヒトの生物医学的特徴に着目して研究するのが一般的である。ところが最近,当事者の望む回復であるパーソナル・リカバリーを目指すアウトカムモデルや,当事者の研究への参加が注目を集めている。このような医療モデルの見直しや研究の推進体制の見直しは精神医学研究を新たな形で発展させる可能性がある。このような変化は臨床研究にとどまらず,脳の中に生物学的病態を見出すことを目指してきた基礎研究のパラダイムにまで影響を与え,新しい研究の発展を促す可能性がある。本稿では最近の研究パラダイムの見直しとなるこのような背景について紹介し,筆者らがかかわる実践の途中経過を紹介したい。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.