Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
身体症状症を難治化させる要因とその対処法
Factors that make Somatic Symptom Disorder Intractable and how to Manage them
吉原 一文
1,2
Kazufumi Yoshihara
1,2
1九州大学キャンパスライフ・健康支援センター健康科学部門
2九州大学病院心療内科
1Division of Health promotion and development, Center for Health Sciences and Counseling, Kyushu University, Fukuoka, Japan
2Department of Psychosomatic Medicine, Kyushu University Hospital
キーワード:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
身体表現性障害
,
somatoform disorders
,
難治化
,
intractable
,
危険因子
,
risk factors
,
心理社会的背景
,
Psychosocial background
Keyword:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
身体表現性障害
,
somatoform disorders
,
難治化
,
intractable
,
危険因子
,
risk factors
,
心理社会的背景
,
Psychosocial background
pp.1435-1441
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207421
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抄録
身体症状症は,身体症状に対する反応としての過度な思考,感情または行動に基づいて診断される。また,精神疾患における「難治例」とは,症状が通常の治療法では治りにくい,または治療効果が不十分である症例を示すことが多い。しかし,身体症状症の患者は,ほかの精神疾患の患者と異なり,症状が身体症状であるため,通常の精神科での治療法を導入することさえ困難になる場合が少なくない。そこで,本稿では身体症状症を難治化させる要因とそれらの対処法について解説する。身体症状症の難治化を防ぐためには,個々の患者の危険因子,持続因子,増悪因子などの心理社会的要因を明らかにして,どのように患者の症状に関与しているのかを検討し,それらの要因に対処することが重要である。
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