Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
摂食障害
Patients' Recognition of the Illness and Its Therapeutic Use in the Treatment of Eating Disorders
西園マーハ 文
1
Aya Nishizono-Maher
1
1明治学院大学心理学部
1Faculty of Psychology, Meiji Gakuin University, Tokyo, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
病識
,
insight into illness
,
ガイデッドセルフヘルプ
,
guided self-help
Keyword:
摂食障害
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
病識
,
insight into illness
,
ガイデッドセルフヘルプ
,
guided self-help
pp.1691-1696
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206494
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抄録 摂食障害,特に神経性やせ症は,病識や治療動機を持つのが難しい疾患と考えられている。確かに診断基準にある通り,ある時点での低体重の深刻さを認識できないという意味では,病識に乏しいことが多いが,過去に比べて変化が起きていることや自分の思い通りに体重を操作できないことなどについての認識を持っていることは少なくない。初発の段階ではこのような認識を持っていない場合もあるが,入院事例の回復途上で振り返ると,発症時点でこのような問題があったことを認めるものが多い。これらの認識は,生活上の何らかの変化を経験する時にもみられやすい。摂食障害では,生活が固定化して変化が乏しい場合が多いため,生活に何らかの変化があった場合は,それによる本人の認識の変化を見逃さないようにすることが必要である。病気への認識を治療に結び付けられるよう,治療者は支援が必要である。
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