Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
摂食障害の気づきと病識
Insight into Illness in Eating Disorders
西園マーハ 文
1
Aya Nishizono-Maher
1
1明治学院大学心理学部
1Meiji Gakuin University, Faculty of Psychology, Tokyo, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
病識
,
insight
,
否認
,
denial
,
治療動機
,
motivation for treatment
Keyword:
摂食障害
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
病識
,
insight
,
否認
,
denial
,
治療動機
,
motivation for treatment
pp.836-840
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207316
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抄録
摂食障害は,病識がない疾患だと考えられがちである。確かに,極度の低体重にあっても体調の悪さを否認するといった現象は広く知られており,これが治療の難しさの大きな要因となることは多い。しかし,摂食障害患者に病感や病識が全くないわけではない。摂食障害の病識に関する研究は,摂食障害の病識は,あるかないかだけでなく,多面的に捉える必要性を示している。摂食障害については,医学的症状の軽快とともに病識が自然に出てくるといった経過は望みにくく,治療初期から,以前からの変化を話題にするなど,病識を育てることそのものを治療のテーマとしていく必要がある。一方,長期化に伴って病識が生まれてくる場合があり,これも見逃さずに,行動変容に結び付けられるような支援が必要である。
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