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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[摂食障害の治療]
摂食障害(摂食症)の絶望死をどう防ぐのか
How to Prevent Hopeless Death from Eating Disorders
山田 恒
1
Hisashi Yamada
1
1兵庫医科大学精神科神経科
1Department of Neuropsychiatry, Hyogo Medical University, Hyogo, Japan
キーワード:
摂食障害/摂食症
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
AN
,
重症遷延性神経性やせ症
,
severe and enduring anorexia nervosa
,
SE-AN
,
非自発的治療
,
involuntary treatment
Keyword:
摂食障害/摂食症
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
AN
,
重症遷延性神経性やせ症
,
severe and enduring anorexia nervosa
,
SE-AN
,
非自発的治療
,
involuntary treatment
pp.1279-1286
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207079
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抄録
摂食障害(摂食症),特に神経性やせ症は精神疾患の中で,最も高い死亡リスクを有することが知られており,自殺率も高い。重症のまま遷延し,社会的機能障害と孤立感から絶望して死に至るケースが存在すると考えられている。いまだ定義は確定していないが,重症遷延性神経性やせ症と呼ばれる一群に対する治療は,摂食障害治療の大きな課題の1つであり,罹病期間の短い,若年の神経性やせ症への治療とは異なる対応をする必要があることが示唆されている。従来の体重増加や症状軽減よりも,QOLや社会適応の向上を治療目標としたほうが有効であると考えられており,多職種チームで治療に当たることやリハビリテーションを活用することも勧められている。入院治療の際には非自発的治療も時に必要となるが,身体的改善を目標として,退院目標を明確化したなるべく短期間での入院治療が望ましいと考えられる。
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