Japanese
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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[日本の治療環境に合わせた治療資源の拡充]
治療からリハビリテーションへのパラダイムシフト—なぜ摂食障害の地域支援は広がらないのか
A paradigm shift from group treatment and self-help group to rehabilitation
武田 綾
1
Aya Takeda
1
1特定非営利活動法人のびの会相談室
1Specified Nonprofit Corporation Nobi-no-kai counseling room, Kanagawa, Japan
キーワード:
摂食障害
,
eating disorders
,
アウトリーチ
,
outreach services
,
地域生活支援
,
community support projects
Keyword:
摂食障害
,
eating disorders
,
アウトリーチ
,
outreach services
,
地域生活支援
,
community support projects
pp.1304-1311
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207082
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抄録
精神障害者への国の施策として,多様なアウトリーチが展開されている。摂食障害の慢性例においても,症状の消失より生活のqualityの向上を目標に掲げることに考え方はシフトしつつある。そのため2000年頃からその取り組みが少しずつ始まり,まだ数少ないながらも地域における生活支援を目的にそれぞれの特性を活かして運営している。その中で見えてきたのは,いずれも本症者の日常生活における対人関係や自立課題,社会適応の困難さであり,その「生きづらさ」がこうした症状に置き換えられて否認されているものと思われた。医療機関や家庭だけではなく,社会での日常生活を通じて課題の解決が図れることが理想だが,本症者にも制度的にも現行の体制では難しく,今後どのような支援体制が可能かを考えていく必要がある。
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