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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[総論]
摂食障害(摂食症)病理のパラダイムシフト
A paradigm shift: Psychopathology of eating disorders
永田 利彦
1
Toshihiko Nagata
1
1壱燈会なんば・ながたメンタルクリニック
1Mental health clinic of Dr. Nagata in Nanba, Osaka, Japan
キーワード:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
臨床的に意味のある完全主義
,
clinical perfectionism
,
プロトタイプアプローチ
,
prototype approach
,
不知の姿勢
,
not-knowing stance
,
バリデーション
,
validation
Keyword:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
臨床的に意味のある完全主義
,
clinical perfectionism
,
プロトタイプアプローチ
,
prototype approach
,
不知の姿勢
,
not-knowing stance
,
バリデーション
,
validation
pp.1218-1227
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207072
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抄録
摂食障害(摂食症)の精神病理はゴールデンケージから臨床的に意味のある完全主義(ダイエット競争)へ普遍化した。その結果,熱心ではあるがゴールデンケージである家族から複合家族,さらには家族崩壊へ,成績優秀・品行方正な良家の子女から,多衝動性,回避性パーソナリティ障害(全般性の社交不安症),神経発達症,発達性トラウマ障害などへ多様化した。入院から外来治療へのパラダイムシフトの中,異種性のため治療的困難さは増している。そこで摂食障害症状のみならず併存症を含めたプロトタイプを念頭に診立て,支持的精神療法に不知の姿勢,validationなどの拡張を行い,人格の病理(生きづらさ)への積極的な治療介入が必要となった。
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