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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[摂食障害の治療]
摂食障害(摂食症)に対する精神療法のあり方—支持的精神療法は何を支持すべきか
Psychotherapy for eating disorders:What should “supportive psychotherapy” support?
西園マーハ 文
1
Aya Nishizono-Maher
1
1明治学院大学心理学部
1Meiji Gakuin University, Faculty of Psychology, Tokyo, Japan
キーワード:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
神経性過食症
,
bulimia nervosa
,
支持的精神療法
,
supportive psychotherapy
Keyword:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
神経性過食症
,
bulimia nervosa
,
支持的精神療法
,
supportive psychotherapy
pp.1245-1251
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207075
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抄録
摂食障害(摂食症)の治療においては,低栄養状態や過食嘔吐の頻度の改善などが治療目標となることが多い。特に,神経性やせ症の治療においては身体治療が最優先であり,心理的課題は隠れたまま治療中断となることも少なくない。心理面への援助の難しさは,身体状況が悪いことに加え,本人から語られるのが肥満恐怖ばかりで対話が成立しにくいという要因もある。しかし,心理検査の活用や,成長曲線など継時的変化の観察,また過活動制限時の不安の表出などから,本人が抱える心理的課題に光を当てることは可能である。これらを治療の中で話題にできた時に,支持的精神療法が可能になると考えられる。このことは,長期経過を考える上でも非常に重要である。
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