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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[摂食障害の治療]
モーズレイ式神経性やせ症治療(MANTRA)の概説と日本での実装における課題
An overview of The Maudsley Model of Anorexia Nervosa Treatment for Adults(MANTRA)and challenges in its implementation in Japan
須藤 佑輔
1,2
,
中里 道子
3,4
Yusuke Sudo
1,2
,
Michiko Nakazato
3,4
1千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
2千葉大学医学部附属病院精神神経科
3国際医療福祉大学医学部精神医学教室
4国際医療福祉大学成田病院精神科
1Research Center for Child Mental Development Chiba University, Chiba, Japan
2Department of Psychiatry, Chiba University Hospital
3Department of Psychiatry, School of Medicine, International University of Health and Welfare
4Department of Psychology, International University of Health and Welfare, Narita Hospital
キーワード:
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
モーズレイ神経性やせ症治療
,
MANTRA
,
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
精神療法
,
psychological therapy
Keyword:
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
モーズレイ神経性やせ症治療
,
MANTRA
,
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
精神療法
,
psychological therapy
pp.1252-1260
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207076
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抄録
モーズレイ神経性やせ症治療(MANTRA)は,成人の神経性やせ症(AN)を対象としたマニュアルベースの外来精神療法である。ANの特性や病態を踏まえて開発された「認知-対人関係モデル」に基づき,食事や体重の問題の背後にあるより本質的な問題,即ち完璧主義や柔軟性の乏しさ,自己批判性や対人過敏性,ANに親和的な価値観などを治療の主題として取り上げていく点に特色がある。MANTRAは治療への動機づけを目的とするモジュールから開始し,ANの発症背景と維持要因についてケースフォーミュレーションを行った後に,思考スタイルや感情/対人関係,アイデンティティに関する治療モジュールへと進み,全20〜40回のセッションで終結する。MANTRAの日本での実装においては,日本における安全性と効果の検証,多職種セラピストを養成する研修制度の構築,外来治療と入院治療をつなぐ医療連携システムの構築が課題である。
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