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特集 わが国の若手による統合失調症研究最前線
統合失調症のMRI研究—病態解明と臨床応用のために必要なこと
Brain Magnetic Resonance Imaging Studies in Schizophrenia:Toward Elucidating Brain Pathology and Applying to Clinical Settings
小池 進介
1,2
Shinsuke Koike
1,2
1東京大学心の多様性と適応の連携研究機構
2東京大学大学院総合文化研究科進化認知科学研究センター
1University of Tokyo Institute for Diversity & Adaptation of Human Mind(UTIDAHM), Tokyo, Japan
2Center for Evolutionary Cognitive Sciences, Graduate School of Arts and Sciences, The University of Tokyo
キーワード:
脳画像
,
brain image
,
脳病態
,
brain pathology
,
機械学習
,
machine learning
,
臨床応用
,
clinical application
,
データハーモナイズ
,
data harmonization
Keyword:
脳画像
,
brain image
,
脳病態
,
brain pathology
,
機械学習
,
machine learning
,
臨床応用
,
clinical application
,
データハーモナイズ
,
data harmonization
pp.443-453
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206892
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抄録
磁気共鳴画像(MRI)が精神疾患の臨床研究に応用されて30年余りが経ち,精神疾患の脳病態が可視化されてきたが,こうした成果から診断バイオマーカーや創薬に結びついた臨床応用はない。この原因として,機種やプロトコルの違いによる差(機種間差),診断分類に基づいた臨床研究の限界,MRI信号に混じる疾患以外の要因,疾患特異性・共通性の問題などが挙げられる。特に多施設MRI研究において機種間差の問題は大きい。これらの限界点を超えるべく,日本医療研究開発機構(AMED)戦略的国際脳科学研究推進プログラムをはじめとした複数のナショナルプロジェクトで,分野横断の多施設MRI共同研究体制が構築され,研究が進んでいる。脳MRI研究の発展によって,今後10年で精神疾患補助診断などの臨床応用技術が一般臨床に複数導入されると考えてよい状況になっている。精神科臨床もこの具体的な変化に対応する準備が必要となってくる。
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