Japanese
English
特集 わが国の若手による統合失調症研究最前線
統合失調症における事象関連電位の臨床応用の可能性
Potential Clinical Application of Event-Related Potentials in Schizophrenia
樋口 悠子
1,2
,
鈴木 道雄
1,2
Yuko Higuchi
1,2
,
Michio Suzuki
1,2
1富山大学学術研究部医学系神経精神医学講座
2富山大学アイドリング脳科学研究センター
1Department of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, University of Toyama, Toyama, Japan
2Research Center for Idling Brain Science, University of Toyama
キーワード:
事象関連電位
,
event related potential
,
バイオマーカー
,
biomarker
,
早期診断
,
early diagnosis
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
サイコーシス発症リスク状態
,
at-risk mental state
Keyword:
事象関連電位
,
event related potential
,
バイオマーカー
,
biomarker
,
早期診断
,
early diagnosis
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
サイコーシス発症リスク状態
,
at-risk mental state
pp.435-442
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206891
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
統合失調症やサイコーシス発症リスク状態では事象関連電位(event-related potentials:ERPs)の異常が知られており,これまで数多くの研究が行われている。P300,ミスマッチ陰性電位(mismatch negativity:MMN)がよく測定されており,それぞれ,将来の診断や機能を予測するバイオマーカーの候補として注目されている。中でも持続長MMN(duration MMN:dMMN)は多くの研究で有意な結果が得られている。ERPsをバイオマーカーとして用いるには,それぞれの意義や特徴を理解し,投薬や併存症としての気分症や自閉スペクトラム症などの影響を考慮する必要がある。最近はマルチモダリティ研究,機械学習による研究も登場しており,ERPsがより精緻に診断や転帰を予測できるツールとして実装されることが期待される。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.