Japanese
English
特集 精神医療に関する疫学のトピック—記述疫学,リスク研究からコホート研究まで
操作的診断基準と疾病分類の功罪—過去・現在・未来
Pros and Cons of Operational Diagnostic Criteria and Classification:Past, Present, and Future
北村 俊則
1
Toshinori Kitamura
1
1北村メンタルヘルス研究所
1Kitamura Institute of Mental Health, Tokyo, Japan
キーワード:
操作的診断基準
,
operational diagnostic criteria
,
疾病分類
,
nosology
,
精神医学の歴史
,
history of psychiatry
Keyword:
操作的診断基準
,
operational diagnostic criteria
,
疾病分類
,
nosology
,
精神医学の歴史
,
history of psychiatry
pp.437-442
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206311
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抄録 精神科医の診断の不一致が問題となり,操作的診断基準が作成された。しかし,疾患単位の妥当性の議論が積み残し課題となった。Taxometricsによる研究ではほとんどの診断名は範疇的性質ではなく,次元的なものであることが確認された。現在の診断学は因子分析を行うことで症状構造を確認し,クラスター分析,潜在クラス分析などで質的に異なる群を同定することが主流になっている。さらに,精神疾患の病名が直接に偏見の形成に寄与していること,さらに多数が「健康的」で,少数が「病的」という考え方の矛盾を考えると,精神科診断の現代的課題は未解決の部分が多い。
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