Japanese
English
特集 精神医学における主観と主体
居場所の臨床としてのハウジングファースト
Housing First as the Support of Ibasho
熊倉 陽介
1
Yousuke Kumakura
1
1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
1Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
キーワード:
Housing first
,
Homelessness
,
Ibasho
Keyword:
Housing first
,
Homelessness
,
Ibasho
pp.533-540
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205830
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 居場所ということばには心理的な意味合いが含まれており,自らのアイデンティティが確かめられる環境のことを意味する。居場所のなさはメンタルヘルスに大きな影響を与える。本稿では,ホームレス支援を居場所の臨床と位置付け,その新しい支援の方策であるハウジングファーストについて紹介する。ハウジングファーストは,「まず安定した住まいを確保した上で,本人のニーズに応じて支援を行う」という非常にシンプルな考え方であり,その根幹は「住まいと支援の分離(独立)」にある。治療を受けることや回復することなどの条件を求めず,居場所としての住まいを提供するという支援のあり方を考えることを通して,居場所について考察する。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.