Japanese
English
特集 作業療法を活用するには
訪問看護と精神科作業療法
Home-visit Care and Psychiatric Occupational Therapy
渡邊 乾
1
Tsuyoshi Watanabe
1
1訪問看護ステーションKAZOC
1Visiting Nurse Station KAZOC, Tokyo, Japan
キーワード:
Home-visit care
,
Psychiatric occupational therapy
,
Housing first
Keyword:
Home-visit care
,
Psychiatric occupational therapy
,
Housing first
pp.857-862
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205655
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
精神科訪問看護での作業療法士の訪問(以下,訪問OT)は,医療機関,訪問看護ステーションともに,看護師と同一の診療報酬が認められており,訪問看護師と協働して精神障害者の地域生活における在宅支援の一助を担ってきた。そのため,訪問OTの活動を語る前提として,多くの役割や業務が訪問看護師と分かち合われており,その差異が明瞭ではないことがしばしばあると思われる。しかし,それはあまり問題ではなく,むしろ,積極的に互いの職域を横断し,グラデーションとなるような支援が行われることが,訪問看護を利用する精神障害者(以下,利用者)の多様で常に変動するニーズに答えるために望ましいと考えている。
問題は,精神科領域の作業療法士(以下,精神科OT)の約90%が精神科病院の中で働いており,精神科訪問看護を実践する作業療法士の数が全体の約1%しかおらず,その従事者数の少なさと実践数の少なさである。
そのため,重要なことはどのようにやるかという理論ではなく,何が実行可能なのかという実践的な試行錯誤であり,さらにそれ以前の,自らが地域社会の資源として機能するよう活動の場を切り開いていくというソーシャルアクションの視点である。
私は2013年より,東京の練馬区と豊島区を中心に訪問看護ステーションKAZOC(かぞっく)という精神科領域専門の訪問看護ステーションを立ち上げ,現在,精神科OT7名(看護師14名)を配置し訪問支援を行っている。
今回,訪問OTについて論じる貴重な機会を得ることができた意義は大きく,関係領域および関係職種の方々に訪問OTの理解を深めて頂くきっかけとなれるよう,これまで行ってきた実践について報告したい。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.